「配偶者が不倫をした。不倫相手には2度と会わないと約束させたけど、離婚したらこの約束ってどうなるの?」
配偶者の不倫が発覚した際、今後2度と不倫相手と不倫をしないことを目的として、配偶者に不倫相手との交際(接触)禁止を約束させることがあります(以後、「接触禁止」と呼びます)。
今回の記事では、
- 接触禁止の約束はどうやって行うべきか
- 接触禁止の約束を行うタイミングはどの時点が適切か
- 離婚後の接触禁止の約束の効力
などについて弁護士が解説します。
法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。
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配偶者と不倫相手との接触禁止を要求できる?
配偶者の不倫が分かった際のショックは大きく夫婦の信頼関係は相当に損なわれてしまうことにもなります。
それでも配偶者と和解して婚姻を継続する場合には、配偶者の不倫をやめさせるため、その後に不倫相手と会ったり、電話やメールといった手段で連絡したりすることを禁止する、「接触禁止」の約束をさせることができます。
接触禁止の約束
接触禁止について詳しくはこちらの記事もご参照ください。
(1)不倫相手との接触禁止の方法
離婚はせず、婚姻関係を続けるという場合は、不倫相手との不倫問題の解決のため、配偶者や不倫相手と交渉して、その際に和解書(示談書)を作成するのがよいでしょう。
和解書(示談書)を作成すれば、その和解書には単なる口約束以上の効果が生まれ、もし将来、離婚調停や離婚裁判に発展した際にも、証拠として利用することができます。
和解書(示談書)には、婚姻期間中に配偶者と不倫相手が再度接触することのないように、接触禁止事項すなわち、仕事等以外のプライベートに関して、正当な理由のない連絡や接触を認めないことを明記するのがよいでしょう。
接触禁止の約束が守られるように、約束が守れなかった場合の違約金を設定することも可能です。
詳しくはこちらの記事もご確認ください。
(2)接触禁止の約束の離婚後の効力について
接触禁止の約束は、婚姻期間中のみに限って有効なのであって、離婚後は夫婦は他人となるため、接触禁止の約束の効力はなくなります。
離婚後に元配偶者や不倫相手の行動を法的に制限することはできませんので、離婚後においては、元配偶者と不倫相手との交際・接触を禁止することはできません。
離婚後に新たな人生をスタートするためにも離婚時の取り決めは重要
(1)離婚時の取り決め
離婚の際には、取り決めておくべきことが数多く存在します。
例えば、お金のことでいえば「財産分与」、「年金分割」や「慰謝料」があります。
また別居が先行している場合には「婚姻費用」、子どもがいる場合は「子どもの親権者」「養育費」「子どもとの面会交流」などについても、それぞれ取り決めが必要となってきます。
(2)不倫をされた際に請求できるお金
不倫をされた場合には、その行為により感じた精神的苦痛を慰謝する損害賠償として、相手方に慰謝料を請求することができます。
慰謝料請求の対象となる相手は、離婚しない場合は不倫相手の場合が多く、離婚する場合は配偶者と不倫相手の両方に請求できることになります。
不倫をされたことを許せないと思っていても、慰謝料を請求して責任を取らせることで気持ちの区切りがつき、新たな人生を前向きにスタートするきっかけとなることもあります。
慰謝料を請求するためには、法的な知識や経験が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。
【まとめ】不倫の再発防止のために接触禁止の約束は有効!ただし、離婚後は約束は無効になる
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
- 配偶者の不倫が発覚した時、離婚しない場合には配偶者及びその不倫相手に今後の接触禁止を約束させるのは、不倫の再発防止に有効。
- 接触禁止の約束に反した時に違約金を支払うという約束も有効。
- 接触禁止の約束は、離婚後には効力はなくなる。
- 離婚することになった場合には、慰謝料や財産分与、子どもの養育費など、お金について取り決めなければいけないことが多くあるため、弁護士に相談することをお勧めする。
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