会社の破産

「会社の再建が叶わない…。」となると、残す手段は「破産」になります。「破産」というと、マイナスイメージで捉えている経営者の方が多いと思います。かつて「破産」は徹底的に経営者の財産を処分して、1円でも多く債権者に配当することを目的としていました。さらには、経営者に「人生の落伍者」のような負のレッテルを貼り、社会的・経済的に制裁を加えるといった意識も植えつけてきました。当然、このようなイメージが強く残っている方にすれば「破産なんてしたら、世間様に顔向けができない。人生の終わりだ」と考えてしまうのも無理はないでしょう。

しかし、今の「破産」では、そのようなことはありえません。確かに財産が処分される部分に違いはありませんが、その範囲も高額なもののみに留まっており、生活に支障をきたすものは除外されています。また、債務者には、住む場所や資格取得等に関して「制約」はあるものの、半永久的ではなく、定められた期間をすぎれば、一般の方々と同じように、転居したり、資格を取得したりすることが可能です。今では「破産」という処理方法は、「人生の終わり」ではなく、「一度すべてをリセットし、新たな人生を再スタートするための手続」として活用されております。

「破産」手続の一連の流れについて

では、ここで「破産」の手続における一連の流れを解説していきます。ひとくちに「破産」といっても、以下2つのカテゴリーに分類できます。

  • 法人の破産
  • 自然人の破産

前者は「会社の破産」、後者は「個人の破産」です。
おおむね中小企業の場合、融資を始めとした「お金の絡み」の契約事項は、経営者自身も当事者(連帯保証人)となっているため、結果的に「法人」と「個人」両方の「破産」手続を行うこととなります。その手続の流れもほぼ同じと考えていいでしょう。

「破産」(個人の自己破産)の一連の流れ

まず経営者が弁護士に破産手続を依頼します。依頼を受けた弁護士は債権者に対し弁護士からの介入通知を送付いたします。すると、債権者からの取立てがストップいたします。その後、裁判所に申立てを行います。申立ては、債務者だけでなく債権者側からも行うことが可能です。次に裁判所が「管財人」を選任して、債務者の財産の有無を調査することになります。債務者にめぼしい財産があれば「管財人との面談」や「債権者集会」が開かれ、裁判所が定めた期間内に債権の提出を行います。

「債権者集会」に関してですが、債権者への配当は限りなくゼロに近いため、債権者が顔を見せることはほとんどありません。「裁判官」「管財人」「債務者」「弁護士」の4人で事実関係の確認や意見交換を行い、「5~10分程度で終了」といったケースが多いです。

債権者に配当すべき財産がない場合「同時廃止」という決定がなされます。その後、免責の審理が行われ、「免責」が決定すれば晴れて債務(借金)が消滅します。仮に、「免責不許可」の場合は、支払義務は残ってしまいますが、こういったケースは極めて稀です。

  • 名義を変えて、財産を隠そうとした
  • 偽りの債権者名簿を提出した
  • 不正の手段で管財人の職務を妨害した

以上のような行為をしない限りは、ほぼ許可されると考えていいでしょう。

破産手続は人生を再スタートさせるチャンスです

「破産」は、何だかとてつもなく悪いことをしているイメージを持たれる経営者の方がいますが、大きな間違いです。あくまでも、破産手続は「もう一度、人生をやり直すチャンスを与える」といった前向きな目的で行われます。確かに、破産手続の申立てをすることで、家族や従業員、取引先など周囲に迷惑がかかり、引き目に感じてしまうのは仕方がないかもしれません。しかし、固定観念に縛られて、このままズルズル経営を続けても、結果的には周囲にもっと迷惑がかかる場合があります。そのため、早期に法人破産の事案を取り扱っている弁護士に相談されることをお勧めいたします。

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