自己破産の費用の相場は?支払えないときの対処法や弁護士に依頼するメリットを解説
- 更新日: 2024年08月09日
借金の返済が難しくなると、自己破産を考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、自己破産をすれば借金がなくなる可能性があります。
しかし一方で、手続には所定の費用がかかります。
そのため「自己破産の費用は支払える金額なのかな?」、「費用を支払えない場合にはどうすればよいのかな?」など、費用に関するさまざまな不安が伴うことでしょう。
この記事では、自己破産にかかる費用の相場や費用を支払えないときの対処法、弁護士に依頼するメリットをわかりやすく解説していきます。
自己破産の費用の相場
自己破産手続にかかる費用の相場は、約50万円~100万円以上です。大きく分けて、裁判所に支払う費用と弁護士費用があります。
それぞれの内訳について、下記で詳しく見ていきます。
裁判所に支払う費用
裁判所に自己破産を申し立てる際には、各裁判所が定める「予納金」を支払う必要があります。
予納金の金額は、破産手続の種類(同時廃止、少額管財、通常管財)により異なります。
同時廃止の場合
同時廃止は、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了し、免責手続だけを行うという簡単な手続です。目立った財産や浪費等がなく免責許可決定を出しても特に問題のない方が対象です。
同時廃止で裁判所に支払う費用は以下のとおりです。
内訳 | 金額 |
---|---|
収入印紙代 | 1,500円 |
郵便切手代 | 数千円 |
官報公告費用 | 1万円程度 |
合計 | 1~3万円程度 |
少額管財の場合
少額管財は、裁判所から選任された破産管財人(通常は弁護士)が財産や免責不許可事由の有無を調査する手続です。個人の破産手続が同時廃止とならない場合、ほとんどの事案で適用される手続です。
少額管財で裁判所に支払う費用は以下のとおりです。
【少額管財の裁判所費用】
内訳 | 金額 |
---|---|
収入印紙代 | 1,500円 |
郵便切手代 | 数千円 |
官報公告費用 | 2万円程度 |
引継予納金 | 20万円程度 |
合計 | 20数万円程度 |
通常管財の場合
通常管財は少額管財と同様、裁判所から選任された破産管財人(通常は弁護士)が財産や免責不許可事由の有無を調査する手続です。ただし、債権者が極端に多いなどといった複雑な事情のある事件が対象であり、個人が破産手続を行う場合に通常管財となるのはまれです。
通常管財で裁判所に支払う費用は以下のとおりです。
【通常管財の裁判所費用】
内訳 | 金額 |
---|---|
収入印紙代 | 1,500円 |
郵便切手代 | 数千円 |
官報公告費用 | 2万円程度 |
引継予納金 | 50万円程度(負債の総額により異なる) |
合計 | 50数万円程度 |
弁護士費用の相場と内訳
ここでは、自己破産手続の種類ごとの弁護士費用の相場を下記にご紹介します。
【弁護士費用の相場】
自己破産手続の種類 | 弁護士費用 |
---|---|
同時廃止 | 50万円程度 |
少額管財 | 50万~60万円程度 |
通常管財 | 50万~80万円程度 |
弁護士費用の内訳は相談料、着手金、報酬金の3つです。以下で簡単にご説明します。
相談料
相談料とは、弁護士への相談時にかかる費用で、相場は30分5,000~1万円程度です。
なお、アディーレをはじめ、自己破産の相談料を無料としている法律事務所もありますので、Webサイトなどを調べるとよいでしょう。
着手金
着手金とは、結果にかかわらず支払う必要がある費用で、一度支払うと、その全額が返金されるとは限りません。
相場は30万円以上ですが、法律事務所によって異なります。
また、着手金は安いけれどその分報酬を高く設定している法律事務所もありますので、依頼前に費用の総額を確認するようにしましょう。
報酬金
報酬金とは、得られた結果により変動する費用です。相場は20万円以上ですが、法律事務所によって異なります。
また法律事務所のなかには、報酬金の設定は安いけれどその分着手金が高いという法律事務所もあります。依頼する際は、着手金や報酬金の金額だけでなく、トータルでいくら必要になるのかをしっかり確認することをおすすめします。
自己破産の費用が支払えない場合の対処法
上記でご紹介したとおり、自己破産にかかる費用の相場は、裁判所に支払う費用と弁護士費用を合わせて50万~100万円以上です。
これらの費用を支払えない場合にはどうすればいいのでしょう。下記でその対処法を解説します。
弁護士費用の分割払いを依頼する
法律事務所によっては、自己破産の弁護士費用を分割払いできるところがあります。Webサイトなどで案内している場合もありますので、調べてみるとよいでしょう。アディーレ法律事務所でも、弁護士費用を分割払いでお支払いいただけます。
また、自己破産に関する相談に無料で対応している法律事務所もあります。まずは相談し、費用の分割払いについても確認してみてはいかがでしょうか。
司法書士に依頼する
自己破産の手続は、司法書士に依頼することもできます。費用は20万円~30万円程度と弁護士より安いですが、業務範囲が書類作成に限られるため下記のようなデメリットがあります。
司法書士への依頼は一見安いように見えますが、時間や手間がかかるうえ、裁判所に支払う費用も高くなってしまう場合があります。慎重に検討されたほうがよいでしょう。
ご自身で手続を行う
自己破産の手続は、必ず弁護士に依頼しなくてはいけないというわけではありません。
もしご自身で自己破産手続を行うことができれば、弁護士費用は一切かかりません。
ただし、自己破産手続には法律知識や経験などが必要ですし、下記のようなデメリットもあります。
弁護士が代理人となることで、管財事件となった場合でも、通常管財より費用の安い少額管財を利用できる可能性があります。手間や時間の面だけでなく、費用面からも弁護士への依頼をおすすめします。
法テラスを利用する
法テラスを利用すると、通常の弁護士への依頼よりも費用を抑えられる可能性があります。
法テラスは、経済的余裕のない方が法的トラブルにあったときのサポート(民事法律扶助業務)として「無料の法律相談」と「弁護士費用などの立替え」を行っています。
法テラスを利用する場合の注意点
自己破産手続を法テラスに依頼したい場合、いくつか注意すべきことがあります。
以下で詳しくご説明します。
条件をクリアしないと利用できない
法テラスを利用するには、下記の条件を満たしていることが必要です。
【法テラスが定めている利用条件】
■無料の法律相談を受けられる方
利用条件のうち(1)および(3)を満たしている方
■弁護士費用などの立替制度を利用できる方
3つの利用条件をすべて満たしている方
法テラス経由の依頼だと弁護士を選べない
法テラス経由で弁護士に依頼する場合、基本的には、担当する弁護士をご自身で選ぶことはできません。
ただし、依頼前に、法テラスと契約している弁護士をご自分で探した場合には、法テラスの制度を利用しつつ、ご自分の選んだ弁護士に依頼することが可能です。
審査期間があるため利用に時間がかかる
弁護士・司法書士等費用の立替え制度を利用するためには、審査を受ける必要があります。
審査には短くて2週間程度かかるため、緊急性の高い場合の対応は難しいです。
また、審査の間は弁護士に対応してもらえないことがあり、その場合貸金業者からの取立てや督促も続きます。
自己破産を弁護士に依頼するメリット
「なるべく費用を抑えたい」というお気持ちがあると思いますが、自己破産手続のための書類作成や裁判所とのやり取りなどをご自身で行うのは現実的ではありません。
弁護士に依頼すれば、手続に必要な申請書の作成や、裁判所とのやり取りを任せることができます。
そのほかにも、弁護士に依頼するメリットには下記のようなものがあります。
予納金を抑えられる可能性がある
弁護士に依頼したほうが、ご自身で破産手続を行うよりも裁判所に支払う予納金を低く抑えられることがあります。
ご自身で破産手続を行った場合、通常管財とされる可能性が高いですし、通常管財の場合、裁判所に支払う費用は50万円以上が相場です。
一方、弁護士に依頼して破産手続を行った場合には、少額管財もしくは同時廃止となる可能性が高まります。もし少額管財となった場合でも、裁判所に支払う費用の相場は20万円程度ですし、同時廃止の場合には裁判所へ支払う費用はほとんどかかりません。
「弁護士に依頼すると弁護士費用がかかる」と気にされる方もいらっしゃると思います。
しかし、たとえ弁護士費用がかかったとしても、通常管財の費用と比べれば結果的に費用を抑えられる可能性があるのです。
取立てや督促が止まる
依頼した弁護士が貸金業者に受任通知を送付すると、以後の取立てや督促が止まります。
毎月の返済も止まるため、そのお金を裁判所に支払う予納金や弁護士費用に充てることができます。
このように、毎月の金銭的な負担を増やすことなく、破産手続を進められている方が多くいらっしゃいます。
※裁判上の請求(支払督促、民事訴訟等)は停止されませんので、ご注意ください。
免責される可能性が高まる
借金の返済義務を免除してもらうことを、法律上は「免責(許可)」と呼びます。
そして、免責を認めない場合として法律上明記されているのが「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」です。
裁判例が免責を認めた場合、お金を貸した債権者には貸したお金が返ってきません。
ですから、債権者にとってあまりに不公平な場合には、裁判所は免責を認めないのです。
ただし、免責不許可事由に該当しても、裁判所の判断で免責が許可される「裁量免責」という制度があります(破産法第252条2項)。
悪質なケース(※)以外は、免責不許可事由があっても裁量免責によって免責許可が下りるケースが多いのです。
裁量免責が受けられるか知りたい方は、自己破産に詳しい弁護士にご相談ください。
※意図的な財産隠しや裁判所にうそをついた場合や7年以内に免責を受けたことがある場合など
自己破産以外の対処法も提案してもらえる
万が一免責不許可になってしまった場合には、その決定に対して異議申立てを行う(即時抗告)、もしくは個人再生の手続をする、という別の対処法を検討する必要があります。
どちらの方法を取るのかについては、自己破産に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
アディーレ法律事務所に依頼された場合の費用例
以下は、アディーレ法律事務所に自己破産を依頼された場合の費用の目安です。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
相談料 | 0円 |
基本費用 | 55万円(税込)~ |
その他費用 |
|
アディーレは安心の費用体系をご用意
アディーレでは、自己破産を弁護士に依頼する際の費用への不安を少しでも減らせるよう、下記のことをお約束しています。
自己破産を考えたら、弁護士に相談しよう
自己破産をするには、裁判所に支払う費用や弁護士費用がかかるのが通常です。費用を抑えるために、ご自身で自己破産手続を行うことは可能ですが、手間や時間を取られるうえ、裁判所費用が高くなってしまう可能性を考えると得策とはいえないでしょう。
弁護士に依頼すれば、取立てや督促が止まるうえ、免責の可能性が高まります。また、万が一免責不可となった場合でも、ほかの対処法を検討してもらえるので安心です。
アディーレ法律事務所では、豊富な借金問題解決の実績を持っております。また、安心の費用体系をご用意しており、弁護士費用を分割払いでお支払いいただけます。
自己破産を検討されている方は、ぜひお気軽にご連絡ください。債務整理のご相談は何度でも無料です。
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監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 早稲田大学法学部,首都大学東京法科大学院
困りごとが起きた時,ひとりで考え込むだけでは,どうしても気持ちが暗い方向に向かいがちで,よい解決策も思い浮かばないものです。そのようなときは,ひとりで抱え込まないで,まず専門家に相談することが,解決への近道ではないでしょうか。どのようなことでも結構ですので,思い悩まずにご相談ください。依頼者の方々が相談後に肩の荷を降ろして,すっきりとした気持ちで事務所を後にできるよう,誠心誠意力を尽くします。