「ニッテレ債権回収株式会社」 から身に覚えがない書類が届いた。無視して大丈夫?
- 更新日: 2024年05月14日
「ハガキで請求書が来た…。『ニッテレ債権回収株式会社』って書いてある。そんなところからお金を借りた覚えはないのに。何だか怖いし、放置しておこうかな」
利用した覚えのない業者から請求書が来たら、怖くなってしまいますよね。
ですが、無視は禁物です。
たとえば、ドコモのdカードや、クレディセゾンなどのカードの支払いが遅れてしまってはいないでしょうか?
ニッテレ債権回収株式会社とは、そうした会社(もともとの債権者)から利用者(債務者)に対してお金を請求する権利を譲り受けて、請求する会社なのです。
この記事では、ニッテレ債権回収株式会社がどのような会社なのか、「ニッテレ債権回収株式会社」と書かれた請求書が来たらどう対処すればよいのかについて弁護士が解説します。
ニッテレ債権回収株式会社は怪しい会社?
最初に、ニッテレ債権回収株式会社自体は決して怪しい会社ではありません。
「借りた覚えもない会社が請求してくるなんて、怪しい」と思われるかもしれませんが、ニッテレ債権回収株式会社(電話番号:0120545808)は、許可を得てもともとの債権者に代わって請求している「債権回収会社」なのです。
債権回収会社とは?
誰かから頼まれて(法律用語では「委託されて」といいます)債権を回収する行為は、基本的には弁護士か弁護士法人でないとできません。
しかし、「サービサー法」という法律が例外を設けています。
法務大臣から許可を得た、一定の要件を満たした会社であれば「債権回収会社(サービサー)」として、債権回収の委託を受けることができるのです。
ニッテレ債権回収も法務大臣からの許可を得ていますので、適法に債権回収を行うことができるのです。
サービサー法とは?
サービサー法の正式名称は「債権管理回収業に関する特別措置法」といいます。
もともと、弁護士か弁護士法人でないと、委託を受けての債権回収はできませんでした。
しかし、バブル崩壊で不良債権が膨大な数になった時期に、速やかに処理するための例外が設けられました。
法務大臣は、サービサー法上定められた、債権管理回収業を任せるのに不適格な事由に当てはまっていない業者に対して、許可を出します(サービサー法第5条各号)。
不適格な事由として定められているのは、たとえば次のようなものです。
ニッテレ債権回収株式会社からの身に覚えがない書類は無視して大丈夫?
ニッテレ債権回収株式会社は、あなたが今まで利用していた他社の債権を譲り受けて、今までの会社の代わりに請求してきている可能性があります。
そのため、無視していては、裁判や差押えといった話になりかねないリスクもあります。
ニッテレ債権回収株式会社に債権を譲渡するカード会社の例
ニッテレ債権回収株式会社から請求が来ている場合、もともとの債権者は、たとえば次のようなところです。
すべては挙げきれませんが、「あの会社への支払いが遅れている」という心当たりのある方は注意が必要です。
滞納した覚えがないなら架空請求に注意!
ここまで見てきたように、ニッテレ債権回収株式会社自体は適法な業者です。
しかし、詐欺業者が「ニッテレ債権回収株式会社」を名乗って、架空の請求をしてきている可能性はあります。
身に覚えがない請求への支払いはしない
支払う必要のないお金を焦って支払ってしまわないように、次のことに注意してください。
また、法務大臣の許可を得た債権回収会社は、目隠しシールのないハガキでの請求をしたり、個人名義の口座を振込先に指定したりすることはありません。
ほかにも、連絡先として多数の電話番号が列挙されていたり、担当者の連絡先として携帯電話番号が書かれていたりする場合、詐欺・架空請求である可能性があります。焦って支払わないようにしてください。
架空請求は、犯罪に当たる可能性がありますので、最寄りの警察署に相談することもできます。相談に行く際には、届いた書面を持っていくことをおすすめします。
ご自身での判断が難しい場合にすべきこと
一方、まったく滞納していないというわけではなく、「もしかしたら、あの業者への支払いが遅れているせいで、ニッテレ債権回収株式会社から請求が来たのかも」と、判断が難しい場合もあると思います。
このような場合には、書面に書いてある連絡先ではなく、ニッテレ債権回収株式会社のホームページ上に載っている連絡先に問い合わせるなどして、本当にニッテレ債権回収株式会社から請求が来ているのかを確認するのが安全です。
また、滞納している支払いがある場合には、債務整理の相談を弁護士にしてみることもおすすめです。
その一環で、「ニッテレ債権回収株式会社というところから、請求が来ている」と話してみてください。
債務整理の依頼を受けた法律事務所は、ニッテレ債権回収株式会社に対して連絡をしますので、その請求が本物なのか架空のものなのか判断してもらうことができます。
ニッテレ債権回収株式会社に支払いができないときのリスク
それでは、ニッテレ債権回収株式会社からの請求が架空のものではなく、実際に滞納した支払いについてのものだった場合、支払えずに放置してしまったときのリスクについてご説明します。
法的手続を示唆する書面が届くリスク
ニッテレ債権回収株式会社からの請求を無視していると、「法的手続を準備します」「法的手続に入らざるを得ません」などといった趣旨の連絡が来るリスクがあります。
法的手続とは、主に、次の項目でご説明する裁判や差押えです。
裁判を起こされるリスク
請求書が届いても放置していると、ニッテレ債権回収株式会社から裁判上の手続を始められてしまうおそれがあります。
その場合、裁判所から「訴状」や「支払督促」等と書かれた書面が届きます。
訴訟や支払督促の手続に対して反論をせずに放置していれば、ニッテレ債権回収株式会社の主張がほぼ全面的に認められます。
そして、訴訟であれば「判決」、支払督促であれば「仮執行宣言付支払督促」が出ます(反論したとしても、時効で借金が消滅しているなどの事情がない限り、いずれは債権者の主張が認められます)。
給料などを差し押さえられるリスク
判決や仮執行宣言付支払督促が出ると、ニッテレ債権回収株式会社は「強制執行」の申立てをすることができるようになります。
強制執行の手続のなかでも代表的なのが「差押え」で、「給与」「預貯金」が主なターゲットとなります。
給与については、原則、手取り月収の4分の1が差押え対象となります(手取り月収が44万円を超える場合、33万円を超える部分が差押えの対象です)。
また、預貯金については、差押えの時点の残高が債務の額以下である限り、全額が差押え対象となります。
ニッテレ債権回収株式会社からの督促に対応できないときの対処法
このように、ニッテレ債権回収株式会社からの請求を放置すれば、最終的には差押えに至るおそれがあります。
特に、給与や預貯金の差押えが既に起こってしまった場合には、債務整理を依頼しても差し押さえられたものを取り戻すことはほぼ不可能です。
また、給与差押えの解除に債権者が応じてくれることは非常に稀です。債権者としては、債務整理を通じて支払いを受けるよりも、給与を差し押さえてしまったほうが確実に債権を回収できるからです。
ですので、ニッテレ債権回収株式会社からの請求に対応できない場合には、なるべく早めに債務整理の相談をしていただくことをおすすめします。
5年以上取引がないなら時効の援用ができる可能性も
「あの会社の滞納で、ニッテレ債権回収株式会社から請求が来ているのかも…。でも、もう何年も支払ってないな」と思われた方は、もしかしたら支払わずに済むかもしれません。
最後の支払いから5年以上経っている場合、消滅時効を「援用」することで、借金をなくすことができる可能性があるからです。
消滅時効を「援用」するとは、「この借金は時効にかかっているから、支払いません」と債権者に伝えることです。
ただし、年数さえ経過していればいいというわけではありません。
たとえば、債権者が判決などを取得していれば、時効のカウントはまた1からやり直しになります(法律用語で「更新」といいます)。
また、債権者からの請求に対して1円でも支払ってしまったり、「もう少し待ってくれ」と言ったりするなど、借金が存在していることを前提にした言動をしてしまった場合も、時効のカウントは1からやり直しになります(同じく「更新」です)。
そのため、「時効にかかっているかも」と思われた場合、債権者には一切連絡せずに、時効を援用できないかの法律相談をすることをおすすめします。
ニッテレ債権回収株式会社から督促がきたらアディーレにご相談ください!
ニッテレ債権回収株式会社からの請求を放置していると、給料や預貯金を差し押さえられてしまうおそれがあります。
かといって、自力でニッテレ債権回収株式会社に連絡して支払方法について相談するのも、なかなか勇気がいるのではないでしょうか。
特に、もしかしたら時効で支払いが不要になったかもしれないケースで、不用意な言動をしてしまうと、時効が更新されてしまうおそれもあります。
弁護士に債務整理を依頼すれば、弁護士が債権者に「受任通知」を送りますので、債権者からご自身への直接の連絡や督促は来なくなります。また、債権者との連絡は弁護士に任せておくことができます。
さらに、ニッテレ債権回収株式会社以外からも借入れがある場合、借金問題を解決するのに一番よい債務整理の方法を選んでもらうこともできます。
アディーレ法律事務所では、債務整理のご相談は何度でも無料です。
ニッテレ債権回収株式会社から督促がきた方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。
アディーレに依頼すればこんな事例も解決できるかも
ケース1:任意整理
Aさんのところに、ニッテレ債権回収株式会社から一括請求の督促状が届きました。どうやら、携帯電話の料金を滞納していたものの請求が来たようです。ですが、Aさんはほかにも借金を抱えていて、ニッテレ債権回収株式会社に支払う余裕がありません。
Aさんは、任意整理をすることにしました。
任意整理で、X社とY社は将来利息カットのうえ、60回分割にできたので、毎月の返済額はそれぞれ2万5000円、1万円にまで下がりました。
また、ニッテレ債権回収株式会社については、毎月1万円の15回払いにできました。
そのため、Aさんは最初の15ヵ月は4,5000円、残り45ヵ月は3,5000円ずつの支払いで借金をなくすことができるようになりました。
ケース2:時効援用
Bさんのところに、ニッテレ債権回収株式会社から75万円もの督促状が来ました。すっかり驚いたBさんは、弁護士に債務整理の相談をしました。
弁護士がその督促状を見ると、ニッテレ債権回収株式会社がもともとの債権者から債権の譲渡を受けたのは、12年以上も前となっていました。
Bさんに、最後に支払ったのはいつかを確認すると、「ほかにも何社か借入れがあったけど、全部15年以上支払っていない」とのことでした。
そこで弁護士は、「もしかしたら知らない間に判決を取られてしまっているなど、時効が更新されて、まだ時効援用できない可能性もゼロではない。でも、時効援用で借金をなくすことができる可能性がある」と案内のうえ、時効を援用しました。
その結果、無事Bさんの借金は0円になりました。
アディーレなら
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監修者情報
- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 早稲田大学法学部,首都大学東京法科大学院
困りごとが起きた時,ひとりで考え込むだけでは,どうしても気持ちが暗い方向に向かいがちで,よい解決策も思い浮かばないものです。そのようなときは,ひとりで抱え込まないで,まず専門家に相談することが,解決への近道ではないでしょうか。どのようなことでも結構ですので,思い悩まずにご相談ください。依頼者の方々が相談後に肩の荷を降ろして,すっきりとした気持ちで事務所を後にできるよう,誠心誠意力を尽くします。