キャッシングとは?
キャッシングとは、一般的には、金融機関が個人に対して行う、現金自動支払機(ATM)による小口金融を指します。もっとも、厳密な定義があるわけではなく、銀行・消費者金融・クレジット会社等の金融機関が、個人ないし法人に融資を行うことを総称してキャッシング、ローン、キャッシングローンということもあります。
貸金業者からキャッシングをすると、借主(債務者)は借り入れた金額(元金)に返済日までの金利を加えた金額を返済しなければなりません。高額のキャッシングをした場合には、通常、複数月に分割して返済を行うという契約がなされます。分割返済の契約をした場合には、当初の契約どおりに返済をしてさえいれば、各返済期日が到来するまで残額の返済を行う必要はありません(このように、返済期日が到来するまで返済をしなくてもよいことを、「期限の利益」といいます)。
しかし、キャッシングをする際の貸金業者との契約には、1回でも返済期日までに返済をすることができなかった場合には、この「期限の利益」を失ってしまうという内容が盛り込まれます(これを「期限の利益喪失約款」といいます)。そのため、返済を1回でも怠った場合には、借主である債務者は「期限の利益」を失い、将来の返済期限に支払う金額も含めた全額を一括で返済しなければならなくなってしまうのです。
高額のキャッシングをしている債務者は、残金を一括で返済することは困難です。そこで、キャッシングをする際には、自分の収入で確実に返済できる金額を把握しておかなければなりません。
キャッシングの問題点と予防について
現在、日本ではどれくらいの方がクレジットカードを持ったり、キャッシングを利用したりしているのでしょうか。実は、2020年現在、日本の国民(成人人口)1人あたり2.8枚以上のクレジットカードを保有し、5人に1人の方がキャッシングを利用しているのです。まさに日本は「クレジットカード・キャッシング大国」に他ならず、クレジットやキャッシングなどの多重債務は深刻な社会問題となっています。
※社団法人日本クレジット協会「クレジットカード発行枚数調査結果」、株式会社日本信用情報機構(JICC)の各種統計データ、総務省「人口推計」いずれも2020年。
キャッシングの基礎知識
キャッシングの種類について
キャッシングと一口にいっても、キャッシングの目的や借入先、担保の有無などによって何種類も存在します。キャッシングの種類により、適用される金利やキャッシングの限度額が異なりますので、ここではキャッシングの種類を説明します。
キャッシングの金利について
貸金業者では、キャッシングの種類や限度額、保証人・担保の有無などにより、数%~20%で金利を設定しています。各貸金業者で、設定している金利に開きがありますが、消費者保護の観点から法律で金利の上限が規定され、上限金利を超えた金利を設定した場合には刑罰が科せられたり、貸付行為自体が無効になるとされています。
このページの監修弁護士
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。