特定調停をすると,借金が減額されますか?
必ず減額されるわけではありません。まず,減額の対象となるのは,利息制限法の上限金利を超える利息を取っていた貸金業者(債権者)との取引になります。次に,貸金業者からこれまでの取引履歴を開示してもらい,借金をした当初にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)までの引き直し計算を行います。そして,引き直し計算によって減額された金額をもとに分割して返済していくことになります。この点は,任意整理も同様です。
しかし,貸金業者の中には,特定調停に対して必ずしも協力的でない対応をする業者もあり,協力(同意)が得られなければ,調停は不成立となってしまいます。また,簡易裁判所や調停委員によって運用基準にばらつきが生じているため,任意整理では原則としてカットされる調停成立までの間の遅延損害金や,調停が成立した後の利息(将来利息)を支払わなければならない場合もあります。この点,取引履歴を速やかに開示しない貸金業者もいますので,その期間だけかかった分の遅延損害金がついてしまうこともあり得るのです。